感性医療

2022.01.24

僕の夢見る世界①~カウンセリング特約~

今までの僕は「この治療で治療効果が何%上がる。」「生存期間が何ヶ月延びる。」という世界にいたので、患者さんの心を考える余裕はありませんでしたし、気にすることもほとんどありませんでした。

でも、今から振り返ってみると、これまでの医療では生存期間は延びるけれども、それがその人にとっての幸せに繋がるとは限らないことがわかってきました。お金はあるけど不幸な人もいるような感じで、どんなに生存がのびても幸せそうじゃない人もたくさんいるのです。

心が満たされていないのです。

僕もそうでした。ずっと心が満たされてきませんでした。

僕の話をすると、2019年に手術を受けた後、再発を恐れて日本全国の治療家や医師を訪ねては治療を受けたり技術を習得してきたのですが、不安は消えることはありませんでした。むしろ不安が大きくなっていくのです。

不思議です。

そんな僕が一番救われたのはどの治療を受けるよりも明美ちゃんのカウンセリングやLPL養成講座でした。

そこで学んだ心のメカニズム、一緒に学んだ仲間たち。この体験がなければ、僕は恐怖エンジンのまま走り続けていたことでしょう。

もう一つ、感じた感覚があります。

僕は自分でがんを発見した時に「負けた。」と思いました。何に負けたのかはわかりませんが、とにかく、負けた、敗北者、落伍者という感覚に襲われたのです。大きな船から投げ出されて置いて行かれるような感覚です。

でも、明美ちゃんと出会って、その仲間達と学んでいくと、たとえ船から投げ出されても、自分で泳ぐこともできるし、助けを求めることもできる。一緒に泳いでくれる人もいることに気付きました。

もう1人で抱え込まなくていいんだという感覚。

きっとこの感覚は、僕だけじゃなくて、多くのがん患者さんに必要かもしれません。

僕が明美ちゃんと出会ってから、カウンセリングは全ての患者さんに受けて欲しいと思うようになりました。カウンセリングとは決して精神を病んだ人だけが受ける特殊なものではなく、ちょっと気楽に相談してくるみたいな感覚で受けられるものにしていきたいのです。もちろん、一般のカウンセリングもいいのですが、僕が経験した明美ちゃんのLPLメソッドを使うカウンセラーのカウンセリングを一度は受けてほしいです。

「がんと診断されたら全ての人がカウンセリングを受けられる世の中にする。」

これが僕の夢見る世界の一つです。

ただ、それを実現するにはカウンセリング費用がハードルになります。1回あたり1〜3万円かかるのですから、そう気軽には受けられません。

そこで、僕は生命保険会社に「カウンセリング特約」を作ってもらえばいいと考えました。先進医療特約みたいな感じで、がんと診断されたら100万円おりる保険があればどれだけ助かるでしょう。

そんなことを思って願っていたら、僕の知り合いが生命保険会社の偉い方を紹介してくれてお話をする機会をもらえました。その方は僕の考えにとても共感してくれて、生命保険もこれからは心の時代だと理解してもらえたようです。もちろん、すぐに「カウンセリング特約」みたいなプランが出来るわけではありませんが、まずはやれることを一歩ずつ。

2021年12月に明美ちゃんのLPLで描いた人生の樹がほんのわずかだけど、実現しつつあります。

PAGETOP